平成から令和に向けて~170号 2019.06

明治35年創業のすや亀は大正、昭和、平成、令和の6つの時代を歩み、今年で創業117年を迎えます。創業以来、製品づくりに対する真摯な取り組みと、お客様に対する誠実な対応は変わらず脈々と続いています。

 すや亀のみそ、漬物、みそ加工品等、自社で製造販売する品はすべて添加物不使用です。昭和40年代までは、みそに保存料としてソルビン酸を使っておりましたが、徐々にアルコール(酒精)に代え、平成10年頃より炭酸ガスを逃がすリブを使用し、アルコールも使用しなくなりました(一部袋詰めにはアルコールを使っております)。 漬物は家庭で母親が漬けてくれた漬物作りの手法が基本です。母は着色料やアミノ酸等の旨味調味料の使い方を知らなかったので、添加物は不使用でした。添加物だらけのみそ漬けを仕入れて販売していた頃は、その鮮やかな色がご飯や食器につくことに驚きました。無添加にし、お客様からは色が悪い、日持ちがしない、うまみが少ないといったご指摘も出ましたが、初心を曲げずに作り続け今日に至っております。

化学調味料や甘味料を使用しないものは後口がスッキリし、素材そのものの味が印象に残ります。そんなすや亀の方針に社員やパートさんも共感し、製造に誇りをもち、商品に自信をもってくれることは、経営者にとってなによりの喜びであり誇りでもあります。

自分なりに安全安心な製品づくりを心掛けていたつもりですが、「良い食品づくりの会」の仲間に加わり、学ぶことによってさらに思いを強めました。会の「4条件、4原則」(ページ左)を学び、製品にもさらに磨きをかけることができました。

 しかし長期保存を前提とする甘酒のペットボトルや、フリーズドライ味噌汁にはビタミンC(酸化防止剤)を使用せざるを得ません。また冷凍食品、菓子等、みそを使う製品についても、ご好評いただいている「みそおこげ」「みそかりんと」「豚ロース味噌漬」「ギンダラみそ漬」等は添加物不使用ですが、一部商品には製造ロットの問題で「アミノ酸」「膨張材」等を使用せざるを得ないのが現状です。それも使用しない方向へ順次切り替えを図っていきます。「亀の歩み」で前進し続けるすや亀を今後もご支援ください。

2019.06 信州香味だより170号より

ページトップへ